避妊手術で犬の病気は避けられる?避妊手術しなかった我が家の犬達の経験談

2021年2月3日犬との生活, 体調変化



避妊手術ってどんなもの?

以前の記事で避妊手術について私個人で調べたことをまとめてみたものがありますので良ければ読んでみてください^^

今回はこの記事の続きで過去に我が家で飼っていた避妊手術をしなかった3匹の犬達の病気について書いてみたいと思います。

もうみんな亡くなってしまって、私自身この内容を読むと思い出して泣いてしまうのですが;
避妊手術について悩んでいたり、これから犬を飼いたいと考えている人の参考に少しでもなれれば嬉しいです^^

過去の愛犬たちと生殖器系疾患

「過去の」というと何だか寂しい響きですが、私が子供時代、学生時代に実家で飼われていた子達です。
一人っ子の私はこの子達と姉妹のごとく生活していました。

下に紹介するのは、今ではみんな亡くなってしまった子ばかりですが愛おしい思い出ばかりです。
今回のために写真を探したのですが、ガラケー時代の写真しかなくてキレイな写真が少なくて残念でした;
もっと撮っておけばよかった^^;

前提として、ここで紹介する子達は全員、避妊手術はしていませんでした。
また、マルチーズの子以外は出産経験もありません。

病気や体調変化だけでも色々なエピソードはありますが、ここでは避妊手術に関係するであろう病気のエピソードをメインに取り上げたいと思います。

もう何年も前の話なので所々記憶が曖昧な部分もありますがご了承ください。

繁殖引退犬のマルチーズ

この子は私が2歳の頃に、おそらく2歳くらいの年齢でやってきて私が高校3年の頃、18歳くらいまで生きました

母か曾祖母の知り合いの所だったと思いますが、そこで何度か出産をして、もう産ませないから引き取ってくれないかとやって来た子でした。

もちろん避妊手術はしておらず、その当時は避妊手術自体が今ほど当たり前に行われていなかったようにも思いますし、我が家は裕福でもなかったので、病気でないのにわざわざお金を出して手術をさせようなんて思いもしなかったでしょう。

病気:乳腺腫瘍

若いころは特に大きな病気もなかったように記憶していますが(なにせ子供だったので記憶が曖昧ですみません)、10歳になるかどうかのころでしょうか。足、脇の付け根あたりに乳腺腫瘍ができていました。

腫瘍が小さいうちは良性ということもあり様子を見ていたのですが、年を追ううちに大きくなってきたことから腫瘍の摘出手術を行いました。

その際、今後の再発予防のために、と子宮の摘出手術も一緒に行われました。

再発

しかし、その数年後にまた乳首の周辺にしこりが出てきて、しかも一か所でなく2,3か所と増えてきました。

家族は、何のために子宮の手術もさせたんだ、とガックリ。

この時はすでに10歳を超え、文句なしの高齢犬です。

またしばらく様子を見ていましたが、赤みがかりはじめ(多少熱も帯びていました)、歩きづらそうになってきたこともあり手術へ踏み切ります

ガンなどの悪性のものではないため(という説明を受けました)と、年齢的・身体的な負担の面からも一番大きなものだけを摘出する2回目の手術。他は、小さいので様子を見るようにと言われました。

その後、少しづつ他の腫瘍も大きくはなっていたものの、15歳も過ぎたら家族としては、良性の腫瘍 < 麻酔のリスクの方が怖くなってきます

元気に過ごしているならいいか、と様子見にとどまり、最後はほとんど寝たきり状態となっていましたが、最後まで食欲旺盛で、18歳まで生きてくれたので大往生だったと思います。

再発予防のために行う避妊手術について

このマルチーズの子の場合、10歳も近くなってからの手術でした。
再発予防の効果はほとんどなかったのかもしれません。

この経験は10年以上前のものなので、そのころに何と言われていたのかはわかりませんが、犬にとっての中年時代・発病後の時期に避妊手術をして良かったとも、悪かったとも、飼い主の立場からは今となっては何とも言えません。

ただ、子宮系の病気にはかかりませんでしたので、その点ではもしかしたらよかったのかもしれません。

ぽっちゃりおっとりなミニチュアダックスフンド

この子は先のマルチーズが10歳くらいのころ、私が小学5年生くらいの頃にやってきました。
身体は大きいのにビビりで臆病で、平和主義なとても可愛い子でしたが、14歳で亡くなりました

この子も避妊手術は受けさせていませんが、出産経験もありません

中年時代から少しづつぽっちゃりしはじめ、立派なおデブ犬に(ミニチュアダックスなのに8㎏超え!)
食いしん坊ゆえに誤ってニラを食べて大変なツライ目にあわせてしまったこともありましたし、耳ダニの痒さに悩まされたりと病院のお世話になることが多い子でした。

病気:子宮蓄膿症

もしかしたら、もっと事前に発見できて、まだ生きている可能性はあったんじゃないかと思うこともあります。

病気がわかったのがこの子が14歳の時です。

母によると、その数日前から床にピンク色の経血のようなものがポタポタ落ちているのを見かけたそうです。
しかし、年齢も年齢だから、経血の色が薄くなっているのかな?くらいの気持ちだったそうです。

元が食いしん坊だったからか、食欲が落ちるという事もなかったですし、太っていたので元から散歩はあまり長距離歩きたがりませんでした。これらが重なって、病気の発見が遅れたのかもと思います。

しかし、私も思い返してみると病気発覚の数日前からなんとなく元気がなくしんどそうにしていたようにも思えるのです。普段なにげなく過ごしていたら見逃しがちなことです。

病気の発覚は、母が仕事から帰宅した時でした。
ピンク色の膿でドロドロに床が汚れていて、もう一匹の犬が慌てた様子だったといいます。

緊急手術

すぐに夜間対応の病院に行きました。
私も仕事帰りに病院へ直行しましたが、そこで獣医師から

「なぜもっと早く発見できなかったのか!」「こんな高齢で生理があるわけないだろ!」

と怒られ、とてつもなくやりきれない気持ちになったのを覚えています。
そんなの、家族が一番後悔していることなんですよ。

もっと早く気付いて上げられれば、こんな年齢で生理があるなんておかしいのでは?と少しでも疑問を持てていれば、体調の変化にもっと気を使ってあげていれば…そんなの全てあとの祭りですよね。

言われなくたって!と思う反面、悔しくて何も言えませんでした。
犬は喋れない、ちゃんと見てあげないと体調変化もわからない、痛感しました

術後

病状はかなり進行していて深刻なようで、膿から出た細菌性の毒素によって他の臓器の機能が阻害され、命に係わる状況だとのこと。

その後、病院をかかりつけ医に戻し、点滴や透析など治療を行いましたが、2週間ほどで亡くなってしまいました

最後の2週間は、私と母で交代で夜も様子を見守りました。

あれだけ食べることが好きだった子が口から食べたり飲んだりすることもままならず、立ち上がることも、普通に排泄することもできず、痛みと苦しさからかゆっくり眠ることもできず、排泄時には痛みで泣き声をあげて、本当に苦しい最後にさせてしまったと今でも思い出すと泣かずにはいられません。

ひょうきんなミニチュアダックスフンド

この子も上で紹介したダックスフンドと同時に我が家へやってきました。
親戚が同犬種を2匹飼っていて、それぞれに子供を産ませ、そしてそれぞれから1匹ずつ我が家で引き取った子達です。

この子は母犬と見間違えるほどそっくりで、飼い主達も間違えるほどでした(笑)
性格はひょうきんで人懐っこく、運動神経がいい愛されキャラです。

上の子同様、避妊手術は受けさせておらず、出産経験もありません
16歳まで生きてくれました。

病気:乳腺嚢腫

この子も乳腺嚢腫ができていました。
10歳を過ぎてからではなかったかと記憶していますが、あまり大きくならず良性のものだとのことで様子見をしており手術はしませんでした。

病気:子宮摘出

すみません。
子宮の病気にかかったことは覚えているのですが、具体的に何の病気だったのか覚えていません。

12~3歳の頃でした。
年齢的には高齢と言われる年齢ですが、本人の様子はまだまだ体力も毛艶もあり若々しく元気でした。

この時、乳腺嚢腫もまだあったのですが、これはそのままだったように記憶しています。
(大きくなっているものだけ取ってもらったかもしれません。この時には実家から離れていたので記憶が曖昧です)

子宮を摘出する手術をし、術後も順調で食欲もあり散歩にも今まで通り意欲的で元気に回復していきました。

病気:膀胱内の腫瘍

子宮の手術をした後、傷口もふさがり、体調も安定していましたが、なんとなく頻尿ぎみになり、排尿時は出にくそうにしていて見ても数滴しか出ていないこともありました。

受診してエコーで検査したところ、膀胱内の出口近くに小さな腫瘍があるとのこと。
手術も可能だが小型犬の膀胱は小さいため難しいと言われました。

それに子宮の手術をして落ち着いてきたばかり、この年齢でまた麻酔を使って手術することにもリスクが高くなっているとのことでした。

そこで、腫瘍の成長を抑える(遅らせる?)ために薬を処方してもらい、血液検査や薬の処方などで様子を見ていくことになりました。

性ホルモン系ではないけど脳関係?:死因となったであろう原因不明の不随意運動

ですがある受診日に薬を点滴してもらって以降、後ろ足がぴょんぴょんと不随意運動をするようになりました。
本人はいたって表情もいいし、散歩にも意欲的で食欲もあったので、一時的なものかとも思いましたが薬の副作用などかもしれないので病院で検査してもらうことに。

症状と、「受信日の翌日からの症状ということで副作用か」と疑問を投げたところ、その薬にそのような副作用はない、原因はわかりませんね、と。

その時担当してくださった獣医師さんが、前から少し思うところのあった獣医師さんだったので不信感も多少はありましたが、そういわれてしまえばこちらは素人ですので何もできません。

それから1週間ほど、自宅で様子を見ましたが、そこからは早く、
後ろ足がぴょんぴょん跳ねる不随意運動→後ろ足が上手く立てなくなる→表情がぼんやりしてくる→全身の拘縮・筋緊張→翌日息を引き取りました。

後から考えると、もしかしたら脳腫瘍や脳梗塞などが起きていたのかもしれない…と思えます。

まとめ

・先の手術の痛みとデメリットをとって、生殖器系疾患のリスクを回避するか
・今のデメリットを回避して将来の病気のリスク(犬の生命的/飼い主の精神・体力・金銭的)に向き合うか

悩むのは飼い主、実際に身に降りかかるのは犬達。でも何かあってツラいのはどちらもです。

経験としては、高齢になってから重大な病気に直面した時、たとえ寿命があと数年でも、また苦しい思いをさせながら手術をして生き永らえさせるのかもう十分頑張って何度も手術を乗り越えてきたのだからもう…と考えるのか。
この二つの考えがぐるぐると巡って、家族として苦しくてツラくて、どうしようもなく思えます。

しかし、なにも命に係わる病気は生殖器系のものだけではありません。
避妊手術をしたとしても他の病気やガンに罹ってしまう可能性を消すことはできません。

手術をしてもしなくても、病気のリスクを最小限に抑えるには、犬の体調の変化に敏感に反応できるよう普段からコミュニケーションを深めるしかないですね。

また、メリット・デメリットについて調べて感じたのですが、これらのほとんどが飼い主にとってのメリット・デメリットではないでしょうか?
ペット達にとってのメリットは、人間に面倒が見られない野良・捨て子犬(猫)を増やさない、生殖器系の病気にかかりづらくなる、という事かなと。個人の感想ですが。

でも結局は、避妊手術を受けさせるかどうかは飼い主の判断によります。
それぞれメリット・デメリットがありますから、どちらを選ぶにせよ後悔しないようにしっかりと検討・相談して、その後のリスクについてもきちんと把握しておくことが大切ではないでしょうか。

ペットの避妊手術をするかしないか、揺るぎない正解はありませんが
1日でも多く飼い主も犬も健康で楽しく過ごせるように、しっかりと考えた末の決断ができればそれが答えなのかもしれませんね!


病院よりも公園に行きたい♪

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